POW研究会トップ > ニュース・お知らせ  > ニュース > POW研究会発足11周年を記念する学習会を開催
ニュース

POW研究会発足11周年を記念する学習会を開催

2013年04月07日

POW研究会が発足して早くも11周年を迎えました。そこでこれまでの歩みを確認し、今後の活動を展望する学習会を下記のように開催しました。

日時:3月10日(日)午後1時半~5時半
会場:麻布台セミナーハウス4階中会議室
【学習会の部】
①「東京裁判と捕虜問題」について……報告者:宇田川幸大(一橋大学大学院生)
宇田川氏は『東京裁判 捕虜関係資料』(全3巻)を内海愛子、カプリオ・マーク氏とともに編集・解説し、2012年11月に刊行しました。この資料集は、東京裁判に提出された弁護側資料のうち、実際に審理に取り上げられたものをまとめたものです。そこからは、東京裁判の審理において最も重要視されたのが捕虜問題であることが判明します。その中心は英米豪など欧米人捕虜への虐待の追及であり、中国人やアジアの植民地兵に与えた加害に関しての追及は極めて薄弱です。今後欧米によるアジアの植民地支配という観点からも、東京裁判の審理全体を再検討する必要がある、ということでした。

②「台湾史研究における捕虜問題」……報告者:鍾淑敏(台湾中央研究院研究員)

鐘氏は数少ない台湾における捕虜問題研究者であり、本会会員です。台湾の金瓜石、花蓮港、玉里、嘉宜など主な捕虜収容所の概要を報告しました。また台湾において連合軍兵士の捕虜問題や慰霊碑の建設に精力的に取り組んでいる、マイケル・ハースト氏の活動を紹介しました。今後の課題として、台湾出身元日本兵の戦争体験の聞き取りや、台湾人慰安婦の解明に取り組んでいくことが重要である、ということでした。

【10周年総括と展望の部】

③「POW研究会の11年」……笹本妙子(POW事務局)
※P研11年の歩みを振り返る次の資料を参照下さい。

POW研究会の11年

④「各自が捕虜問題に関わって考えてきたこと」

参加者全員がPOW研究へのきっかけや、その後の取り組みを語り合いました。
⑤「今後の課題」

従来POW研究会の研究対象は欧米人捕虜が中心になっていました。今後は米比軍のフィリピン人捕虜、蘭印軍のインドネシア人捕虜、英印軍のインド人捕虜、またインドネシア人兵補の問題など、アジアへの視点をも重視し、研究に取り組んでいくべきではないか、というような意見が出されました。

尚、学習会終了後本日の講師鍾淑敏さんを囲んで参加者による懇親会を行い、楽しい語らいのひと時を過ごしました。

(小宮まゆみ)

今後の活動予定は、お知らせをご覧ください。

以前のニュースは、過去のニュースをご覧ください。

2002年からのニュース全てをまとめたものは「POW研究会の歩み」(PDF)をご覧ください

POW研究会関連のメディア掲載情報

▲ページのトップに戻る